程遠い三角油揚げ
一昨年から行く行かないと物議を醸していた定義山。「たかが油揚げ、されど油揚げ」という上司の言葉を自分の舌で確かめる時が来た。出発前にしっかりと地図で学習、「48→作並街道→55(定義仙台線)」というルート。午後は用事があったため、午前中に出発。
まず48で折立に向かうのだが、あのヘアピンカーブの連続は何度通っても慣れない。すると48の途中、「55線こっちだよ」みたいな標識があった。そこで地図とは違ったが、その誘いに乗って右折し、小道に進入した。この小道が予想以上の小道っぷりで一方通行じゃないかぐらいの細さだった。それでも僕はバイクだったので比較的スムーズに走っていたが、標識がないので自分が本当に55を走っているのか不安だった。
そんなこんなでいつしか山道に進入していた。もっと道幅は狭くなり、木が生い茂り、「崖崩れ注意」や「路肩弱し」とかいう看板も頻繁に見るようになった。道端からは水が湧いていた。車が本当に通っているのか怪しいぐらいの道。それでもガンガン山道を攻めたが、いっこうに抜けない。走っても走っても風景が変わらない。そしてふとガソリンメーターを見ると、残り2目盛になっていた。「山道を抜けるとGSがあるだろう」と軽く考えていた僕は愚かだった。
なんとか長い山道を抜けると、目の前には農村が広がっていた。もちろんGSがあるわけもない。標識には知らない地名が羅列し、自分の現在地すら分からない状況。とりあえず大倉ダムって標識に書いていたので、「ダムの近くって少しは拓けているだろう」と考え、大倉ダムを目指した。しばらく走ると、右手にダムが見えてきた。大きなダムだった。少し感動を覚えつつ、定義山に着かないことに少しずつ焦りと苛立ちを覚え始めていた。それでも引き返すことができなかった、なぜなら引き返すほどのガソリンが残されていなかったから。この先にGSがあることを信じて目の前の道を進むしかなかった。すると定義山の立て看板が見え、自分の走りに間違いがなかったことを自覚できた。しかし走っても走ってもGSはもちろん、定義山すら見えなかった。
その後も看板は見るものの、いっこうに定義山は見当たらず。そしてT字路にぶつかった。左折は定義山、右折は仙台方面と記されていた。ここで決断を迫られた僕は定義山を諦め、右折した。ここで無理して定義山に向かってもガス欠の恐れがあった。こんな農村でガス欠になったら大参事である。しかもソフトバンク携帯は圏外であった。そんな葛藤もあり、僕は仙台方面という標識を信じ、GSを求めて右折した。
しかし走れど走れど風景は変わらず、GSもない。ついにガソリンメーターが給油のサイン。僕は最悪のシナリオを考えながらスロットルを握り続けた。それでもGSはない。マジでない。半端ない。そして行きも通った山道に差し掛かり、僕は絶望の淵に立たされた。こんな山道でガス欠したら・・・人もいないし、車も通らない。携帯も再び圏外に。しかし走り続けるしかないので、そぉーとスロットルを回し続けた。すると奇跡的に山道を抜けることができた。
しかし山道を抜けたところで、GSがない。そろそろ本当にヤバイと思った。少しだけ神頼みをした。するとコープ愛子店の看板が見えてきた。この瞬間、僕は快楽を覚えた。その看板に従い、道なりに走る。しかし意外に長い、コープがない。しかも上り坂でバイクが唸っていた。そして今日5回目「マジで終わった」と思った瞬間、僕のバイクは作並街道に合流していた。勝利宣言。難なくGSに停車し、給油に成功。過去最大の5.1リッターの給油だった。ジョグのタンク容量は知らないが、5.1リッターは結構ヤバイんじゃないかと思う。
午後の用事にはギリギリ間に合った。これほど1日で絶望感を何度も味わったことは初めて。マジで死んだと思った。就職活動で経験した絶望感ほどではないが。結局、定義山には行けなかった。帰ってきて調べたが、定義山はその決断を下したT字路から2キロだったらしい。もしかしたら行けたかもしれないが、帰りはガス欠になっていたに違いない。ナイス英断。もう定義山への道順は覚えた。しかしもう行く気にはならない。なかなか三角油揚げを食べることができない。何なんだ、今日のお遊びは。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- シメジを知らない子供たち。(2009.11.09)
- 現役野球部(セカンド)(2009.11.03)
- パンニョ伊東(2009.10.31)
- 京都を思い出す。(2009.10.26)
- ハンバーガーのトマト(2009.10.23)


コメント